「GANTZ」理解も、限界も超えた先で浮かび上がる人間の性
「てめえ達は今からこのマンガを読んでみてくだちい。」
大した努力もせず、他人を見下し、親切心のかけらも持たぬ、抜け殻のような人間になり果てた高校生玄野計は、学校からの帰り道、地下鉄のホームでグラビア雑誌を読んでいた。ふと気がつくと隣には小学校時代の親友加藤勝の姿があった。幼い頃の面影を残しながらも不良じみた彼に声をかけることもなく、今の自分に気づかないことを願っていた。
どこからともなくやってきた浮浪者然とした酔っ払いがホームに落ちたのを見て、玄野は人の死が見られるのではないかと期待した。震える加藤を見てあざ笑い、自分の優位を確信した瞬間。
加藤は彼を助けようとホームへ飛び降りた。助ける価値もない人間を助けるために動いた加藤を嘲笑を浮かべた玄野であったが、「計ちゃん、計ちゃんだよな?」という加藤の声に玄野の体は動いてしまった。
懸命に泥酔した男を救おうとする2人であったが、男をホームに担ぎ上げた時には手遅れ、列車は轟音とともにホームへと突っ込んでくる。減速を期待し線路を駆ける2人を列車は無残にも轢き殺し、飛んでいく加藤の生首を見て玄野の意識は潰える。
再び意識を取り戻した加藤と玄野の前には直径1メートルほどの正体不明の黒い球体が置かれていた。浮かび上がったこの文字が壮絶な運命へと玄野たちを駆り立てていく。
「てめえ達の命は、なくなりました。新しい命をどう使おうと私の勝手です。という理屈なわけだす。」
のちに「GANTZ」とこの呼ばれる球体が、1人、また1人と人生を狂わせていき、終には人類全体を巻き込んだ「カタストロフィ」へと繋がっていく。
「GANTZ」は週刊ヤングジャンプにて2000年から連載を開始し、コミックスの累計発行部数2100万部を誇る大ヒットSF超大作だ。本日2016年10月14日公開の映画「GANTZ:O」はGANTZ本編において高い評価を得た「ぬらりひょん編」をフルCGで再現したものだ。
連載終了後も人々の心を魅了してやまないGANTZの魅力にReinaさんと迫った。
GANTZ
- 著者:奥 浩哉
- 出版社:集英社
- 発売日:2000/12

-このマンガを読んだキッカケは?


-好きなキャラクターは誰ですか?

後半もどんどんカッコ良くなっていきます。
-やはり、というのは面白いですね。どちらかと言えば序盤は「嫌な奴代表」として君臨する西丈一郎のどこに魅力を感じたのですか?

誰もが心に蓋をして隠しておきたい事、それぞれの痛み…人間味が出ているので、思わず共感してしまう登場人物が一人は居るのではないでしょうか?
中でも特に人間味のある西くんに魅力を感じてしまいます。
-たしかに、彼は作品が進むにつれてその印象が大きく変わっていく人物の1人ですね。弱さや狡さを抱えた人間の脆さには、希望に満ち溢れた人にはない引力を感じてしまいますよね。

-好きなシーンはどれですか?

-殺せ、と言われたから殺す。異星人だから殺していい。こうした思考停止した人間の狂気も巧みに描かれたシーンでもありますよね

-読みながら薄暗い感情とどす黒い感情が、これだけ自分に渦巻くマンガってなかなか出会えないですよね。優れたグラフィックが取りあげられることが多いGANTZですが、深く心を抉る人間ドラマも大きな魅力だと僕も思います。

-このマンガとの出会いがあなたの人生をどう変えましたか?

色々な経験を通じ、日々人間は変化していき深みが出て魅力的になっていく…それを改めて考えさせられ、そんな日々をやさしく大切に過ごしていきたいと思いました。
-それでは最後に一言お願いします。

現実に起きてしまうのではないかと、思わず不安を煽るような…。
ガンツ玉のとぼけた表現や、突然のラジオ体操の歌…
それがまた、とても怖いんです。
良い意味でグロテスク。そして緊迫感。
「みなさんも、是非読んでみてくだちい。」
GANTZ
- 著者:奥 浩哉
- 出版社:集英社
- 発売日:2000/12
モデルプロフィール

- 名前:Reina
- 出身地:埼玉県
- 職業:受付
- 趣味・一言:アロマの勉強中です♡
- 最近の悩み:突然辛いものが食べたくなる
- Instagram:@wataame.pink
(カメラマン:伊藤広将)
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